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イントロダクション

君に出会って世界が色づいた。

高校生の昭雄(鈴鹿央士)は2カ月間、同じ美少女(秋田汐梨)が現れる夢を毎晩見ていた。ある日、現実の昭雄の目の前に、そのひとが突然現れる。彼女の名前は理沙。理沙はある約束を果たすため、もうひとつの世界線に生きる昭雄のことを、ずっと呼び続けていた。理沙の純粋な想いが、星空のむこうの国から運命の人を呼び寄せたのだ。今宵は33年に一度のシリウス流星群が地球に最接近する日。まっすぐに惹かれ合うふたりは、同じ星空を見ることができるのだろうか―?
パラレルワールドを疾走する少年少女たちの爽やかな青春群像を、淡くノスタルジックな映像美と、鮮烈なVFXを駆使して躍動的に描き出すのは、監督の小中和哉。本作は、1986年に小中監督が発表した同名長編映画の35年ぶりとなる時空を超えたセルフリメイクである。
キャストには、実力派の新星たちが肩を並べる。主演の昭雄役には、『蜜蜂と遠雷』(19年)で日本アカデミー賞をはじめ数々の映画賞で新人俳優賞を総なめにした鈴鹿央士。理沙役には、映画『惡の華』(19年)などで好演を見せた秋田汐梨。昭雄の親友・尾崎役は、パフォーマンスグループ「lol -エルオーエル-」のメンバーにして、俳優としても活躍中の佐藤友祐が演じる。さらには、理沙の母親・恭子役には、1986年版で理沙を演じた有森也実を配し、往年のファンを熱くさせる。

ストーリー

それはなんでもない秋の一日‥‥‥のはずだった。

相舞高校・天文部の森昭雄(鈴鹿央士)はトラックに轢かれる寸前のところを親友の尾崎誠(佐藤友祐)に助けられてからもう2ヶ月ほどたつが、それ以来変な夢ばかりみるようになった。見たことのない美少女が昭雄をじっと見つめて何かを語りかけてくるような夢だった。
尾崎は夢なんかに逃げないで「リア充をめざせ!」なんて言ってくるけれど、昭雄だって別にモテないわけではない。
図書委員の賀村愛弓(伊原六花)は先輩の昭雄にぞっこんで、親友の今井圭子(福田愛依)に後押しされ一世一代の告白をしようとしていた。しかし、夢の美少女が気になってうわの空の昭雄はそんなこと意に介さず、家路へと足を向けた。すると、向かいのバスに夢の美少女
見かける。昭雄は急いでバスを降り彼女の乗るバスに向かうと、彼女もバスをおり駆け寄ってきた。そして彼女が涙をためて昭雄を抱きしめた瞬間、忽然と姿を消してしまう。
昭雄は夢か現実かわからぬまま帰宅すると、そこには自分自身の遺影があった――。
昭雄が交通事故にあって死んでしまった世界と、尾崎に助けられた世界が並行して存在し、助けられた世界の昭雄が今いる世界に来たのではないかと推測した尾崎は、パラレルワールドで昭雄を美少女に合わせることにした。
美少女の名前は坂口理沙、在りし日の昭雄の恋人で、重い病気に冒されている。
理沙は、2ヶ月間ある約束を果たすために、死んだはずの昭雄をずっと呼び続けていた。その理沙の想いが、別の世界線に生きる昭雄に届いたのだ。
昭雄は、約束を果たす為に理沙を病院から連れ出す決心をする。
主治医の上田聡(川久保拓司)と理沙の母親・恭子(有森也実)は理沙の姿が見えなくなったことに気づき病院へ連れ戻そうと二人を追いかける。
理沙の病状は思った以上に深刻だった。
なにかがはじまって、なにかが終わる予感が少しだけしていた。
なんでもない秋の一日だと思っていた今日は11月11日。
33年にいちどのシリウス流星群が地球に最接近する日だった。
まっすぐに惹かれ合う昭雄と理沙は、時空を超えた約束を果たすことができるのだろうか。星が引き合わせた二人の運命やいかに――。

スタッフ

鈴鹿央士/昭雄役
鈴鹿央士/昭雄役

PROFILE

1963年2月8日生まれ。 自主映画製作を経て、1986年池袋・文芸坐の出資による「星空のむこうの国」で商業映画デビュー。
1992年、脚本家の兄・小中千昭と妻・明子と有限会社こぐま兄弟舎(現・株式会社Bear Brothers)を設立。ポニーキャニオン、タカラと共同で映画「くまちゃん」を製作。1997年、「ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影」でウルトラシリーズ初監督。以降、監督・
技監督として映画・テレビシリーズ両方でウルトラシリーズに深く関わる。
2003年には「アストロボーイ・鉄腕アトム」でアニメーションを初監督。2020年4月放送のNHKよるドラ「いいね!光源氏くん」メイン演出。特撮、アニメーション、ドキュメンタリー、TVドラマ、劇映画で幅広く活動中。

HISTORY

『星空のむこうの国』(1986)、『四月怪談』(1988)、『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(1999)、『東京少女』(2008)、『七瀬ふたたび』(2010)、『赤々煉恋』(2013)、『VAMP』(2019)

鈴鹿央士/昭雄役